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新市場の開発は「技術開発」ではなく「文化開発」が大切だ

新しい市場のつくりかた」の冒頭では、新しい市場開発は「技術開発」にとらわれがちだけど、真に大切なのは「文化開発」であると説いています。



これ以上に優れた技術を開発するコストと、それによって上げられそうな成果が引き合わないときが来ます。それでは、その引き合わなくなった時点で技術開発を止めるか。そうすると、コモディティ化の問題が発生し、より人件費の安い後発工業国に事業移転をするしかなくなってしまう

 
というのが「技術開発」の限界を示す理由ですが、理解できます。また「文化開発」の好事例としてウォシュレットの事例を示してくれています。「文化開発」には4つのステップがあります。

 

1.問題開発
ウォシュレットの場合なら、誰かが「トイレで用を足した後にお尻を洗いたい」という問題を設定します。これは単にその「お尻を洗うためには?」を課題にする、というだけでなく、そもそもお尻はどうあるべきか? を問題と捉える意識を新たに構築する。

2.技術開発
温水器とポンプとシャワーが適切に結合された製品として、どこかの工場や研究所でまず形づくられる。ウォシュレットの場合、必要な「技術」はすでにそろっていたので、「技術開発」のフェイズはハードルにならなかった。

3.環境開発
上下水道、家庭への配電網とか、インフラが整備される。ウォシュレットでは「技術開発」よりも、トイレの適切な場所にコンセントがあるという環境を作ることに、TOTOは腐心をし各住宅ディベロッパーへの営業に努めた。

4.認知開発
社会に「私たちのお尻も洗ってほしい」という欲求が普及し、社会的な生活慣習になる。ウォシュレットは戸川純を起用した広告で「おしりだって洗ってほしい。」と訴え、欲求の普及を高スピードで実現した。

 
ウォシュレットの広告コピーは有名ですが、その「おしりだって洗ってほしい。」のコピーが生まれたときから「日本人のおしりが汚いものになった」そうです。欧米ではまだウォシュレットの利用は進んでいないので、まさに「文化開発」だなぁ。と感じます。広告コピーの例になってしまいましたが、「文化開発」の手段は「定性情報+クチコミ」こそベターなのではと思い描いています。

Photo by Trekking Rinjani