2014年のWebマーケティングトレンドを読み解く

ソーシャルメディアに明るい、エンゲージメントファースト社の原さんが「デジタルマーケティングの2014年のトレンド」の資料を発表していました。

私の解釈を加えて、シェアします。

目次 - post contents -

Webマーケティングのキーワード

1. Smart device first(inc. Mobile Application)
Webのサービス開発は、スマートフォン、タブレットが前提となります。「まずはPCサイトから」が「まずはスマタブ(もしくはアプリ)から」と開発・ローンチの順序が変わってきます。

2. Social media integration(Social Web)
Webサイトには、ソーシャルメディアとの連携が必須となります。シェアする機能だけでなく、会員登録もログインもソーシャルメディアとの連携が進みます。

3. Video(Youtube) marketing(eg.V-SEO)
Webマーケティングの主戦場に「動画」が加わります。Webにおける「動画」は、マスの「認知獲得」のそれに加えて、「理解促進」と「行動喚起」が目的に加わります。

4. Owned media centric
ソーシャルメディアにおけるマーケティングの帰着点として、自社(オウンド)メディアの価値が見直されます。前述のソーシャルWebの機能を持ち得るWebサイトがこれを実現できます。

5. Story telling(Emotional Value Content)
Webマーケティングのコンテンツとして「物語」が発信されます。企業と生活者が感情でつながれる情報こそ流通し、クチコミされます。

6. Post Facebook(Instagram,Pinterest,tumblr)
企業のソーシャルメディアマーケティングにおいて、Facebookの次の存在となるのが、インスタグラム、ピンタレスト、タンブラーです。いずれも「ビジュアル」をメインコンテンツにしていることが注目すべき点です。

7. Community as open forum
コミュニティのオープンな会議室化が進みます。顧客とつながることのアウトプットとして、商品開発やリサーチを目的に据える企業が増えることになります。

8. Google Integration(Google+, Youtube)
HTMLソースや外部リンクによるSEOの効果が低くなっています。検索エンジンから人を呼ぶための方法は、グーグルとのコンテンツによる統合化が必要となります。そのエンジンとして、Google+とユーチューブの活用が進みます。

9. # tag marketing
各ソーシャルメディアでハッシュ(#)タグによる知の集約が可能になりました。我々は生活者からの発信を促す時に、ハッシュタグをハブにして集合知を可視化することを試みるべきです。

10.Social CRM
(このキーワードは範囲が広くてわかりづらいですが)生活者との関係構築は、ソーシャルな場所でのコミュニケーションが必須となります。万人がアクセスできる場所で、より誠実なコミュニケーションが必要となります。

 

Webマーケティングのトレンドの変遷

1. Reach → Engagement
ソーシャルメディアの潮流ですが、どれだけの人に届けたかではなく、一人の人とどれだけ深くつながれるかが、Webマーケティングの指標となります。

2. Integrate → Connect
トリプルメディアと称される自社メディアとソーシャルメディア、広告媒体の統合がテーマでしたが、今後は「有機的につなげる」具体的な仕組みづくりがテーマとなります。

3. 360°→ 365days
360°マーケティングはオムニチャネルとも言い換えられ、デジタルとリアル、すべてのメディアで生活者と接点を持つため仕組みづくりがテーマでしたが、今後は「毎日つながる」という時間軸もそれに加わることになります。

4. Navigation → Context
接点を持った人を目的地まで「誘導」することを企業は仕掛けてきました。今後はストーリーを持って「文脈」に沿って生活者が行動するコンテンツ作りが大切になります。

5. Attention → Sympathy
ソーシャルメディアの登場で、「AIDMA」から「SIPS」へと消費行動モデルの変遷が起こりました。注意をひきつけることから、共感を呼ぶことへと企業のメッセージが変わってきます。

6. Outbound → Inbound
生活者を捕まえるのではなく、ひきつける。そのためには、ストーリーを訴えるコンテンツ(リード)が必要です。コンテンツを用意するのは大変ですが、ストックすることができるので、中長期では費用対効果が高まります。

7. Competition → Co-creation
競合でさえも「共創」の相手として考える。難しそうなテーマですが、訴えたい生活者が何を望んでいるのかを中心に考えると答えが見えると思います。

8. Product Appeal → Story Telling
商品を広告するのではなく、背景にあるストーリーを語ることは、企業と生活者が高頻度のコミュニケーションを交わすようになり、必要性が高まりました。

9. Search → Search + Social
すでにグーグルは機械的な検索結果に、ソーシャルなリコメンドの要素をプラスしています。クチコミが生活者の行動を喚起することを体言する事象です。

10.PC → Mobile
解釈の必要はないですね。

 

キーワードもトレンドも、概して、生活者の気持ちを大切に「聞く力」を持ってマーケティングに取り組むことに感じます。

糸井重里さんはマーケティングを「大衆操作の術」と表現しました。ハっとしました。マーケティングする側(企業)は気持ちがいいけど、される側(生活者)は気持ち良いものではありません。

双方にとって、心軽やかに気持ちよい場所であり続けること。「聞く力」を以って実現したいと思います。

 


 

Photo by paul bica

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

sharing is!

この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

コメント - comments -

コメントする

CAPTCHA


目次 - post contents -