Skip to content

ゲームをするように真剣に。契約書をまとめる|グロースの時代

フェイスブックジャパンの副代表だった森岡さんの「グロースの時代」です。FacebookのMAUを80万人から2000万人へグロースさせたマッチョな物語です。

欧米、またFacebookのメンバーのグロースに関する考え方の中で参考になったのが、パートナーとの契約の結び方に関する日本との意識の違いです。彼らの基本姿勢はこうです。

もし相手が裏切った場合はどうするか? 契約した数字が達成されなかった場合はどうするのか?どういう事態になってもフォローできるようにしておくのが基本だというわけです。それも、常に自分たちが優位に立てるように、何かあったときのペナルティは、相手がきつく、自分たちはゆるくなるように交渉していきます。相手のことをどれだけ信頼していても、すべてを「性悪説」で見ることを前提とした契約書だともいえます。

私も営業・事業開発の経験は長いですが、取引先との契約書は軽視しがちで、いろいろまとまった上での最後の仕事でした。たくさん話をしてきたし、企画書もしっかり作って説明したし、人柄も分かってるし阿吽の呼吸で結びましょう。的な感じです。かつ、あまり時間をかけたくない仕事のひとつでもありました。

でも彼らは、仕事上のかけひきは契約に詰まっているといいます。

ビジネスデベロップメントチームで契約書の素案を書いて、それをもとにした契約書を法務がつくります。それを相手に提示しながら一言一句を詰めていく交渉を行ないます。

実際にそのやり方を見ていると、彼らにとっての交渉はゲームであるようにしか見えません。駆け引きにストレスを感じるようなことはなく、アメリカンフットボールかチェスの作戦を組み立てているかのように楽しんでいます。交渉の途中には、ひと息入れるための時間も取りますが、自分たちが別の部屋へと移動すると、その瞬間から、アメリカンフットボールのように円陣を組んでの作戦会議が始まります。

「さすがにあのハイボールには手を出してこなかったな」といったところから話が始まり、次の作戦の方向性とポジションを決めます。「自分は少し怒ったような顔をして、こういうふうに切りだしていくから、お前はこういうスタンスでフォローしろ」と、舞台演出でもするかのように交渉の流れを取り決めます。

そんなやり取りを見たのはもちろん、はじめてのことでした。そのときに、彼らは心底、ゲームとして交渉を楽しんでいるのだとわかりました。交渉の途中で何度となくミーティングタイムを取りますが、そのたびに「キターッ!」「なるほど、相手もああ返してきたか」などと、うれしそうにしています。その様子を見ていて、相手が手ごわければ手ごわいほど、楽しいのだろうなと思われました。

なるほど。仕事におけるかけひきとは、こういうことを指すのかとハっとさせられます。日本の取引ではあまり経験できないものかもしれません。でも、必要な思考です。頭に入れつつ、今後は契約の内容も大切にしていきます。

Photo by Chris Mear