市場は商品と出会う場所から対話するフォーラムのような場所になる|コ・イノベーション経営

コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けては、企業と顧客による共創体験、事業や商品開発。それを超えた、イノベーションを共に体験するビジネスの事例が詰まった本です。



企業と顧客との「共創」をテーマにしている本なので、発信する生活者と、企業の聞く力を支援するマーケターにとって、勇気付けられる言葉が多くあります。

例えば、プラハラードは「市場」を「フォーラム」であると言います。

(企業と消費者の)価値共創を契機にして、市場はフォーラムとしての性格を持つようになる。そこでは消費者、企業、消費者コミュニティ、企業ネットワーク間の対話が行われる。私たちは市場を、共創経験を育む場として見なす必要がある。そこでは各人は、さまざまな制約や選択肢をもとに、経験にどれだけの対価を支払うかを決める。要約すれば、市場は共創経験を生み出すフォーラムのような場になるのだ。

(中略)

従来の産業構造のもとでは、消費者と企業の間には距離があり、対話は難しかった。販売代理店、流通業者、小売店などがメーカーと消費者の間に介在して、双方を結び付けるというよりは、むしろ引き離す役割を果たしていたのだ。たとえば自動車メーカーは、価格が四万ドルを超える高級車を販売する際にも、消費者との接点をほとんど持たない。消費者の希望、不安、ニーズをどれだけ理解しているかは、ディーラーによって大きな開きがある。

(中略)

消費者はパワーと積極性を手に入れ、互いに結び付いて、他の消費者はもとより、多数の企業とも対話する傾向を強めていくはずだ。このように企業と消費者、消費者と消費者の対話が盛んになると、消費者は、企業に頼らずに自分で対話の糸口を作るだろう。企業が消費者の中から対象を選び、各消費者の特性を知ろうとするのではなく、個々の消費者が企業を選んでその価値を探るのだ。「フォーラムとしての市場」という新しいパラダイムは、消費者コミュニティを原動力とする。

これまで商品と顧客が出会う場所である「市場」は、企業にとっては売り先でした。でも消費者が情報を持ち始める、発信できる場所が増えてくると、市場は商品を交換する機能以外を持ち始めます。

そこでは、企業の力を借りることなく消費者は自ら発信をし、消費者コミュニティでは、消費者自らが企業を選んで価値を探るためのコミュニケーションが交わされます。

こうした、消費者が発信できる「フォーラムとしての市場」と、消費者コミュニティでやりとりされる消費者の声を「聞く力」を、やっぱり支援できるようにしていきたい!と思います。

Photo by Swaminathan

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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